現代レトロフォーカスの祖

Nikkor Auto-H 2.8cm 1:3.5

Nikkor Auto-H 2.8cm 1:3.5
アルプス堂 \5.25k
概ね良好な外観。モノコートだから目立たないけど前玉拭き傷。
でも他のお店の品の状態(\10k〜\25k)を考えると破格ではないでせうか。場合に拠っては、ジャンク籠に入ってるようなこの値段よ!

 一見ささいなことに見える後群の変更ではあるが、このレンズタイプ発見の功績はそれだけにとどまらない。この後群の "凸凹凸凸" 構成の発見によって、いままで非常に困難とされていた一眼レフ用の焦点距離 24mm 以下の広角レンズや、大口径広角レンズの設計の道筋に光明が見えてきたからである。
<中略>
 これらはニコンのレンズに限ったことではない。現在発売されている多くのレトロフォーカスタイプ広角レンズは、この「NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」レンズをお手本にしているといってよい。
 アンジェニュー社から誕生したレトロフォーカスタイプは、いわばこの「NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5」レンズによって本当に完成したと言えるのではないだろうか ? 外見は小さなレンズであるが、その開発の意義は非常に大きかったのである。